離婚は当事者だけの問題ではありません。
関係のない家族まで巻き込むことになります。
ただ、それでも忘れないでほしいのが「当事者が1番辛い」ということです。
わたし自身、離婚によって周りに迷惑をかけることも知っているし、離婚はなお辛い・・。
それでも当事者にとっては、結婚生活を続けることの方がよっぽど辛いのです。
2度の離婚を通じ、周囲の人達から必ず言われた言葉があります。
もしかすると、周囲の人から発せられたその何気ない言葉は当事者を傷つけ、弱っているところに更に追い討ちをかけてしまうだけなのかもしれません。
離婚の際に必ず言われる言葉1「男を見る目がない」
離婚を考え始めた時、自分でも「どうしてこんな男と結婚したのだろう。」という疑問や後悔の念が湧いてきます。
そこで家族に夫婦喧嘩の話や「離婚したい」などと愚痴をこぼすと、決まって「男を見る目がない」と言われます。
さらには、離婚することになって夫側と揉めている時に「あんたは本当に男を見る目がなかった。なんで結婚したの!」と周囲から言われます。
離婚をして数年が経ち、生活が落ち着いた頃も「あいつ(元夫)は本当に嫌な奴だった。あんたって本当に男を見る目がないわ。」と言われ続ける始末(笑)
言われるたびに「あーわたしって本当に男を見る目がないんだ。結婚したのが間違いだったんだ。」と、結婚自体を人生の汚点として捉えてしまうのです。
「男を見る目がない」=結婚は間違いだった?
しかしです。
仮にも、嫌な相手と結婚するわけがありません。
相手のことが大好きで、幸福だった時期が必ずあるはずです。
相手と過ごす時間が居心地が良く、愛し合って、幸せに満ちていた時間があるはずです。
だから結婚したのです。
「幸福だった時間を無かったことにするには、惜しすぎるのではないか?」と思うようになりました。
また、わたしには幼い子どもがいますが「男を見る目がない=結婚自体が過ちだった」と言われると、子どもの存在を全否定されているような悲しく悔しい気持ちになります。
離婚に至ったとしても、相手と結婚したから子どもが生まれたのは事実です。
この事実を消してはいけません。
わたしは今、離婚に向けて調停の最中ですが・・もう耳にタコができすぎて痛いほど「男を見る目がない。」と言われ続けています(笑)
それでも、自分だけは「確かに男を見る目は良くないかもしれないけど、結婚したのは間違いではなかった。確かに幸福な時間があった。」と密かに思っていてもいいんではないでしょうか。
3人に1人が離婚する時代
結婚は博打です。数多く離婚を扱っている弁護士の先生も「結婚は運だ」と言い切っておりました。
長い間交際した相手だとしても離婚することがあります。
夫は、前妻と10年間交際した末に結婚をしてその2年後には家庭内不和に陥ったそうです。
相手を知っている年数は関係ないんですね。
人によって離婚に至る経緯は様々で、もはや離婚する運命だったと思わざるを得ないようなタイミングもあります。
だから決して「男を見る目がない。」だけではないのです。
離婚の際に必ず言われる言葉2「親不孝者」
これもまた心臓に痛い言葉です。
離婚に至り親にこれ以上ない迷惑をかけていると十分にわかっている中での、両親からの「親不孝者」のひと言。
殺傷能力高すぎ・・。
結婚は親のためにするものではない
でも、結婚は親のためにするものではないのです。
結婚は自分のためにするものです。
ましてや、長く辛い結婚生活となった時に誰がその生活を送るか知っていますか?
両親ではなく自分です。
親のために離婚せず、ひたすら我慢を強いられる結婚生活を続けて、親が先に死んだ時に何が残るでしょうか。
熟年離婚かもしれないし、何も残っていないかもしれません。
最終的に親孝行者になる可能性がある
こんなこともあるかもしれません。
離婚して、今後の人生を共にする良き伴侶ができたとします。
籍は入れなくても、パートナーとして幸せな時間を共に過ごします。
新しいパートナーは年老いた両親の良き話し相手となり、庭の伸びた木の枝を切ってくれたり、休みの日には愛車で両親をどこかに連れ出し、一緒に行楽を楽しむこともあるかもしれません。
何が幸せかなんて、わからないのです。
目の前にある不幸そうに見える出来事が、実はとてつもなく大きく長く続く幸福に繋がっていることだってあります。
ここがいま、不幸の最先端にいるように見えても、実は超幸福のスタートラインに立っているのかもしれません。
長い目で見ると、今現在はわずかな親不孝者であったとしても最終的には親孝行者になるかもしれないのです。
離婚は人生の通過点
離婚は、周りの人にも多大なるダメージを与えることは間違いありません。
離婚の当事者は、そのことを十分すぎるほどにわかっています。
自分だけでも辛いのに、周囲の辛さも抱え込んでしまう人も多いんじゃないでしょうか。
だから、できれば周囲の人には言って欲しくないのだけど、もし傷つくような言葉を言われたとしても自分だけは「そうじゃないよ。」と思えたらきっと救われます。
離婚はいいことではないけど、自分の人生の1部であり大切な通過点なのです。